フットボリスタが週刊誌から月刊誌へ。

月刊誌フットボリスタとしての第一号(Issue001)が8月12日に発売された。
今号の表紙は内田篤人。長めのインタビューも掲載されている。捉えどころのないひょうひょうとした受け答えは相変わらず。内田篤人についてさらに知りたければ『僕は自分が見たことしか信じない 文庫改訂版 (幻冬舎文庫)』(筆者のレビューはこちら)を。

以降は毎月12日に発売のようである。とはいえ、僕は週刊誌としてのフットボリスタを読んだことがないもので・・。スミマセン。週刊誌からの比較というよりは、月刊誌としてどうなのか、みたいなところを書ければと思う。

紙面構成は大きく3つ。

  1. 欧州を動かす15人の戦術家
  2. 大嘘だらけの移籍市場を笑え
  3. 日本人を待つポジション争い

ビッグクラブの監督15人をピックアップ

今年の夏の移籍では監督の移籍がこれまで記憶にないくらい多い。そこで特集1.では

  • 改革の1年目(モウリーニョ、グアルディオラ、マルティーノ、アンチェロッティ、ブラン、ベニテス、マッツァーリ、モイーズ、ペジェグリーニ)
  • 勝負の2年目(ビラス・ボアス、ロジャーズ)
  • 円熟の長期政権(コンテ、アレグリ、ベンゲル、クロップ)

と3タイプに監督を分けて、それぞれ識者が監督の特徴や今シーズンの予想スタメンなどを紹介している。
そのうち、モウリーニョとモイーズとマルティーノについてはインタビューも掲載されている。

イメージとしては、深いサッカー観や戦術論などを知るというよりは、開幕前の各ビッグクラブの概況を知るためのガイドブックに近い。欧州サッカーを語るにあたって最低限知っておくべき事実情報を網羅するには使い勝手が良い。

戦術の紹介なども若干紹介されているが、15人もピックアップしているのでそれぞれに割いている紙面は少なく、これを読んだだけで戦術について知るというのは無理がある。あくまで、広く浅くといったところか。

マエストロ西部謙司氏がグアルディオラ新監督を迎えたバイエルンについて3ページに渡って解説しているが、読んでずっこけた部分もある。

ーでは、今後対戦するチームはどうすればいいのでしょうか?
「特化型のチームでは勝てないでしょうね。バルサ対策は戦術であり、戦い方でしたが、バイエルンは全方位に強いチームなのでまず戦力で負けないことが大事。少なくともスタメン11人に関しては、彼らに拮抗する戦力をそろえなければ勝ち目はないでしょう。身もふたもない言い方ですが、資金力で対抗できなければチャンスがない。同じ戦力をそろえてグアルディオラを連れて来ないと、五分に持ち込むのは難しいかもしれませんね(笑)」(P.29から引用)

本当に身もふたもない。10人のフィールドプレイヤーでピッチ全体をカバーすることはできないはずで、どのような攻め方(戦術)にも得手不得手がある。グアルディオラのバイエルンはポゼッションを志向するだろうが、ポゼッションすれば勝てるというものでもない。そのあたり、もっと掘り下げてほしかったが、雑誌の1つのコーナーではそこまで語れないということかもしれない。

残り2つの特集はウンチクとして

特集2.の移籍市場、特集3.の日本人を待つポジション争いは、どちらもウンチクレベルの話題。

移籍はメディアの人は話題性があってよいだろうが、公式発表があるまで全部嘘っぱちであることは読者も十分にわかっている。そういう意味で「大嘘だらけの移籍市場を笑え」と皮肉っぽい特集タイトルをつけているのは悪くない。話題には事欠かないので、うわさ話が好きなら抑えておくと良い。

日本人のポジション争いは、香川、長友、内田、本田などの日本人選手とそれぞれのライバルと目される選手を比較してレギュラーの可能性について解説している。

付録として、ポスターとパニーニフットボールリーグのスペシャルカード

ポスターは、ネイマールとイスコが両面で。イスコをもってくるとは本当に渋い選択。これはなかなかマニアウケするかもしれない。

特別付録として、パニーニフットボールリーグというネットとリアル店舗で購入するカードが連動したサッカーゲームのスペシャルカードが1枚袋入りでついている。

450種類以上のカードがあり、選手の組み合わせでコンボ効果が発現したりするらしい。レアカードというものもあるのだろうか。選手それぞれにOffence、Deffence、Technique、Speed、Staminaが20段階、Costが9段階で与えられ、当然ステータスが高い選手を集めたほうが強いチームを作れるということか。ハマる人はハマりそうなゲーム。

おそらくスペシャルカードの内容は全員同じと思われるので選手名はここには書かないが、有名な選手が出た。ステータスも高く、良いカードなのだと思う(ほしい人は連絡もらえれば差し上げますよ)。

月刊誌として

こういった内容であれば、今後は開幕した欧州サッカーの注目試合について解説をしていくとともに、毎号特集テーマを組んで論評していくことになるだろう。既存の月刊誌との差別化をどこに置くか、なかなか難しいところである。試合結果や試合の解説はネットでも見られるしどこの雑誌もやっている。特集テーマを組んで論評していくことはサッカー小僧やサッカー批評など他誌も実施していることだ。

結局コンテンツのおもしろさは書き手の質に頼らざるを得ないのだけど、書き手のジャーナリストたちもフリーが多いので、フットボリスタ専門ではなくどの雑誌でもお目にかかることができる。

うーむ。編集とは何なのか、といった大命題をつきつけられている感じがする。個人的には、編集者(できれば編集長)が特集テーマについてのまとめ記事を見開き2ページくらいで書いたほうがよいと思う。大局的な視点に立たなければいけないので力量が試されるけど、逆にそこで良質のまとめを書けば差別化につながるし。



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