アーセナルの哲学を彩ったメモワール。

ワールドサッカーキング2014年5月号はガナーズスタイル、アーセナル一色である。グーナー(アーセナルファン)のためのファンブック的な位置づけ。このような特集を組んでくれたサッカーキングに感謝。
(※筆者はアーセナルファンですので本エントリーは色眼鏡で見ていただけるとありがたいです)

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中心的な話題であるインビンシブル

2013-14シーズン序盤はプレミアリーグ首位を快走、チャンピオンズリーグでは14シーズン連続で決勝トーナメント進出とここ数シーズンとは違うぞというところを見せてくれていた。ところが2014年4月現在、プレミアリーグでは5位とCL圏外にまで順位を下げ、CLも敗退。例年はシーズン終盤に粘ってCL圏内をキープしてただけに、今シーズンの落ち込みには目を覆うばかり。かろうじてFAカップだけは決勝に残り、8シーズンぶりのタイトルには手が届きそうというのがせめてもの救いである。

8シーズンタイトルから遠ざかっているため、アーセナルの話題となると現在進行形のシーズンではなく03-04シーズンに無敗優勝を飾った「インビンシブルズ(無敵)」が中心になってしまう。本誌でもつい注目してしまうのはアンリ、ピレス、ベルカンプらの黄金時代のメンバー、そしてヴェンゲルである。

サッカーキングが実施した緊急アンケート「ベスト・オブ・アーセナル」における最も好きな選手ランキングは以下のとおり。やはりインビンシブルズのレジェンドたちが上位に名を連ねている(太字がインビンシブルズのメンバー)。

  1. ティエリ・アンリ
  2. デニス・ベルカンプ
  3. セスク・ファブレガス
  4. ロベール・ピレス
  5. ロビン・ファン・ペルシー
  6. トマーシュ・ロシツキー
  7. メズート・エジル
  8. フレドリック・リュングベリ
  9. パトリック・ヴィエラ
  10. アンドレイ・アルシャビン

ヴェンゲルの最大の功績

インビンシブルズはプレミアリーグ発足20周年記念アワードで「歴代最高」に選ばれた伝説的なチームであるが、ベンゲルは自身の功績をこのインビンシブルズだけには求めていない。曰く、安定した成績こそが功績であるとのことである。

では、この18年間でヴェンゲルの最大の功績は何だったのか。それは、本人いわく18年間の安定した成績だという。ヴェンゲルが監督に就任してから、アーセナルは17シーズンにわたって常にトップ4の座を守ってきた。それ以前に最も長い期間4位以内を維持したのが1930~35年のわずか5シーズンだったことを考えると、確かにこれは驚異的な記録だ。(P.8から引用)

また、ヴェンゲルのすごさはリーグの順位だけに表れるものではない。『ヴェンゲル・コード』(筆者のレビュー)にはヴェンゲルの能力を「カネを遣う能力と価値を引き出す才能」(P.192から引用)と表現している。

アーセナルはオイルマネーやパトロンからの巨額マネーからは無縁でありファイナンシャル・フェアプレーでも優等生。それでいてヨーロッパでトップレベルを維持できているのはヴェンゲルが若い才能を発掘し、育てあげていることが大きい。

ワクワクさせてくれるアーセナルの復活なるか

エジル、カソルラ、ウィルシャー、ラムジー、ロシツキーなどアーティスティックな中盤を構成できるメンバーは揃っている。それに加えウォルコットやチェンバレンなどの飛び道具もあり、闘将フラミニも中盤の底で待ち構える。コシールニーやメルテザッカーなど門番も揃っている。シティやチェルシーに比べて足りないのは全体的な層の厚さとCFの存在か。

今シーズンFAカップを獲れば「●シーズン無冠」というレッテルからは逃れることができる。この言葉がクラブのプレッシャーになっていたことは確か。まずはFAカップを獲り、CFを補強して来シーズンに備えてほしい。そのためにも、4位以内を死守してCL出場を勝ち取ることも必要だ。

ヴェンゲルは自分が辞めると言わない限りはアーセナルの監督であり続けると思う。ファンも総意としてはそれを容認するだろう。どうにか、ヴェンゲル体制でもう一度プレミアリーグ制覇を。次に特集されるときは優勝記念であってほしい。



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