ワールドカップアジア最終予選のヨルダンVS日本を観戦するためにヨルダンのキングアブドラスタジアムへ。僕自身初めての中東。勝ってW杯出場決定をこの目に焼き付けたかったのだが。

現地時間17:00キックオフで16:00過ぎにスタジアム到着。スタジアムの外はチケットを持っていない人で溢れかえる。日本人のみが入れるエリアに突入しようとする警備員に静止されるヨルダン人を横目に日本人エリアへ。門の前では何やらもさもさしている一平くんも・・。見なかったことにしよう。

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2013年3月26日 キングアブドラスタジアムにて筆者撮影

これまでの中東アウェー決戦をテレビ観戦した様子ではギリギリまでスタジアムに来ないのが現地の方の特徴だと思っていたが、キックオフ1時間前でスタジアムは超満員。スタジアムには、深く腹の底に響くような重低音がこだましている。イスラムの知識は遠征直前に付け焼刃で読んだ池上彰氏の『大人も子どももわかるイスラム世界の「大疑問」 (講談社プラスアルファ新書)』しかないが、おそらくヨルダン側には女性がスタジアムにいなかったので黄色い声は一切なし。これが異様な雰囲気を助長している。

結果はご存知の通り、ヨルダン2-1日本で敗戦。W杯への切符はお預けとなった。もはや試合から3日経ち多くの方が試合について分析したり評論したりしており後出し感満載となるが、現地観戦した僕の感じたわだかまりについて2点記しておく。

シュート意識が低いことがわだかまりの要因

シュートを撃てばいいというものではない。巷の評論でなぜ試合終盤に2トップにしないのかというものも読んだが、2トップにすればそれだけ崩しにかける人数が減るわけで、シュートを決める確率が高そうなシチュエーションを創りだすことに人数をかけるのか、前でシュートを撃てそうなポジションに配置する人数を増やすのか、どちらが良いのかは一概に述べることはできない。香川のミドルレンジからのシュートは期待できず、先日のマンUでのハットトリックの2点目のように崩しきってゴールに流しこむことを狙っていることも分かる。そんなことは分かっている。それでも言いたい。

もっとシュートを撃て、と。

後半の終わり際、長谷部がペナルティエリアに少し侵入したあたりで右にボールをずらし抜き切らないうちに撃ったシュート、あれだけが唯一「そうそうそのタイミングで撃っていこう!」というタイミングでのシュートだった(GKの正面に飛んだためゴールならず)。

シュートを撃たなくては始まらない。積極性などという陳腐な言葉で片付けられるものでもないかもしれないが、「何が何でも」というプレーが足りないように感じた。

どちらかといえば僕自身は全体論信者というか、ある1つの策を盲信するようなタイプではない。急いては事を仕損じる。前半の前田のヘディングシュートが入って、結果も勝利してW杯出場を決めていれば、シュート数が少ない試合だったとしても何も言わない可能性が高い。公式戦での勝利より大事なことはない。だから自分が滅茶苦茶で筋が通っていないことを言っていることは承知のうえだ。

現地観戦すると視界がボヤケる。

長友と本田不在によるメンタル的な「前を向こう」感の欠如がわだかまりの要因

長友と本田不在の影響は試合前から取り沙汰されていた。しかし、我々には香川がいる。清武もいる。憲剛だっている。ダブル酒井に駒野だって控えている。大丈夫だ。ホームで6-0で退けた相手に戦闘力でアジアトップクラスで層の厚い我々が負けるはずがないだろう。例え長友と本田の2人がいなくても。これが戦前の大衆の空気であったと思う。

機械的な戦闘力という意味では2人がいなくてもさして変わらなかったと思う。ミドルシュートが得意の本田がいればもしかしたら、左サイドに長友がいれば2失点目はなかったかも、という妄想はできるが、それはやめておこう。なぜならそんなことよりも影響が大きい要因があったからだ。

それは既に多くの人が指摘しているように、メンタル面の影響である。

先制されるということは可能性としてはありえる。もしかしたら10試合に1試合かもしれないが、それがこの試合になる可能性はある。もちろん失点を前提としてはいけないが、先制されたらどのような状況になるかシミュレーションしておくことはとても重要だ。オシム元日本代表監督は「負けることもある」とメディアの前で発言し、勝ち負けに一喜一憂する国民に釘を刺していた。

そのシミュレーションを果たしてピッチ上の11人ができていたか。ただでさえ油断ならない中東アウェー。先制されたらスタジアムを巻き込んで「ザ・アウェー」になることは目に見えている。そんなときにどうやってその見えざる壁を跳ね返すのか。

悪鬼が襲いかかってくるような雰囲気を持ち前のメンタリティで一蹴し、正のオーラを周囲に伝播することができている選手。それが長友と本田だったということがよく分かった試合でもあった。


しかし悲観すべき状況ではない。確かに6月の2試合を練習に使えなくなったことは痛い。ただ、これまでができすぎていたのだ。5試合で勝ち点13、2位が勝ち点5などという状況は金輪際訪れないだろう。普通の状況に戻っただけだ。次戦でオーストラリアをしっかりと叩き、日本で、ホームでW杯出場を決めようではないか。



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