少しでも日本サッカーに貢献するために、僕らのできること。
今回は身も蓋もない、お金の話。僕らにできる、Jリーグやクラブへの金銭面での貢献を考えてみる。
クラブの収支を眺めてみる
数年前からJリーグは各クラブに財務状況の開示を義務付け、毎年8月くらいに前年度の各クラブの簡易的な損益計算と貸借対照表を公開している。
2011年度のクラブ決算一覧
(2013年7月12日追記:2012年度のクラブ決算一覧が公開された)
細かいのを見るのが苦手な人は、損益総括の表の一番下と貸借対照表の一番下だけ見れば良い。
損益総括とは、クラブが該当年度に黒字か赤字かを指す。
貸借対照表は、簡単に言えばクラブのお財布にどれくらいお金が残っているかと考えれば良いかなと(厳密には違うけど)。
こうやって見ると、2011年度は山形、鹿島、横浜FM、清水などが赤字だということが分かる。一方で、仙台、浦和、柏、川崎Fなどは黒字だ。
貸借対照表を見ると、2011年度時点で財務的にまずそうなのは横浜FMや神戸だと分かる。
なぜ収支が大切なのか
赤字や黒字かは個人のお小遣いで考えても重要なので、そこに無頓着ではまずいだろう。これまでも横浜フリューゲルスや大分トリニータのように財務が取り沙汰されることは何度かあったが、昨今財務が若干注目を浴びているのは背景が異なる。
Jリーグクラブライセンス制度の導入である。
長期的に健全なリーグにするために、ライセンス基準を満たしたクラブだけJクラブとして認可しますよ、という制度である。例えばアカデミーチームを有することとか、スタジアム収容人数など事細かに基準が設けられている。
この中に、財務基準というものがあり、以下の2つが示されている。
- 3期連続純損失を計上していないこと(12-14年度から算定)
- 債務超過でないこと(14年度から算定)
さて、ここで先程の11年度のクラブ決算一覧をもう一度振り返ってみる。横浜FMはなんと10億円債務超過である。そしてちょうど本日(2013年7月9日)、横浜FMはクラブHPで2012年度の決算を公開したのだが、なんと12年度は特別損失も加えれば約7億円の赤字で、累積損失は17億円に膨れ上がっているではないか。14年度までにこれを解消しないと、横浜FMはクラブライセンスを没収されるわけである。
では、僕らにできることは何か
各クラブの経営に関して口出しは難しいので、それはそれでがんばってもらうしかない。
では僕らは手をこまねいて待つしかできないのかというと、そんなことはない。これはお金の問題なので、貢献の仕方はいろいろあるだろう。
先ほどの決算表を見ると、売上の項目は以下の5つに分かれている。
- 広告料収入
- 入場料収入
- Jリーグ配分金
- アカデミー関連収入
- その他収入
●入場料で貢献する
この中でもっとも個人としての貢献でイメージしやすいのは、「入場料収入」だろう。ホームゲームのスタジアムに足を運べば、それが直接的にクラブの売上につながる。年間シートなどもクラブにとっては喜ばれる。また、金銭的側面以外でも選手に与える力は絶大で、もっともクラブに貢献する行動と言える。
●グッズを買って貢献する
スタジアムに足を運ぶことが様々な理由でできない人もいるだろう。しかしそこで諦める必要はない。「その他収入」にはグッズ売上などが含まれている。ユニフォームやタオルマフラーなど、クラブの公式グッズを買えばそれもまた直接的にクラブの売上につながる。
●広告料に間接的に貢献する
しかしグッズには欲しいものがないかもしれない。それでもまだ、貢献の仕方はいくらでもある。先ほどの表を見てもらえれば分かるが、結局売上の大部分を占めているのは「広告料収入」、すなわちスポンサー料である。
スポンサー料というものは景気に左右されると言われるが、厳密には違う。スポンサー企業の決算に左右されるのである。お金に余裕がなければ広告費というものは縮小される運命にある。つまり、贔屓のクラブのスポンサーには黒字になってもらわなければ困るのである。
例えば財務が危うい横浜FMのスポンサーには、日産、三栄建築設計、アディダス、ANA、サントリーなどが名前を連ねていることが分かる。企業の種別によっては個人的な貢献が難しいところもあるが、要はこれらの企業の商品を買えばそれが間接的に横浜FMの助けになるということは間違いない。
JALかANAに乗ろうと思ったら、ANAを選択する。
プーマかアディダスか迷ったら、アディダスを選択する。
アサヒのスーパードライではなく、サントリーのモルツを飲む。
無駄に買う必要はないが、商品選択の意思決定要因に贔屓クラブのスポンサーかどうかという考えを加えれば、日常からクラブをサポートしているという楽しみも増えて良いのではないだろうか。
●Jリーグを支えることで、クラブに貢献する
また、売上項目の中に「Jリーグ配分金」というものもある。これはJリーグから成績や人気などに応じて各クラブに与えられるお布施である。当然、Jリーグとしても収支を管理しており、Jリーグの収支が怪しければこの金額も減額される可能性がある。
Jリーグを潤わせるために、スポンサー商品選択の術がここでも使える。Jリーグには、マクドナルドやコカ・コーラ、カルビーなどの企業が莫大なスポンサー料を提供している。
特にこだわりがなければ、コカ・コーラを飲んでカルビーのポテトチップスを食べればそれがすなわち間接的なJリーグへの貢献である。
こういう選択をする人が多ければ、スポンサードする意味が企業側にとって大きくなる。それでスポンサー料が増額されるかは微妙だが、少なくとも継続の判断要素にはなるだろう。ツイッターでわざとらしく「横浜FMのスポンサーになってくれているからサントリーのモルツ飲んでる!」とか書くのもアリかもしれない。
●個人スポンサーを募っているクラブもある
お金持ちの方は、クラブに対して個人スポンサーなんてものもあるからそこからであれば最大級に直接的な金銭的支援もできる。
スタジアムに行くだけが貢献ではない
もちろん、スタジアムに行くことは大事だし、それは最大の貢献でもある。だけど、それだけがクラブを支える方策ではないということ。いろんな考え方があるし、何が偉くて何が偉くないとかでもない。今回はお金の話だったけど、お金じゃない貢献だっていくらでもある。
みんなが大好きなサッカー。
みんなで支えていこうぜ。
tags クラブライセンス制度
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