2014年3月の記事一覧


切っても切り離せない成績とお金の関係。

サッカー批評ISSUE67はマネー・フットボール最前線と銘打ってクラブにまつわるお金の話題を特集している。

ただ、特集タイトルと現実は相容れない。
基本的に

  • お金がある=強い
  • お金がない=強くはない

という相関があることは各所で証明されている。

しかし、「お金がない=夢がない」ということではない。お金がなくても愛されているクラブは多数存在する。本誌においても、お金と成績の関係に関するコラムの他に、お金がないクラブの振る舞い方が特集されている。

本エントリーではまずお金と成績の関係について本誌コラムからさらに踏み込んで考察し、次にお金のないクラブについて、最後にその他の特集について順番に取り上げていきたい。

単回帰分析でも明らかに相関のある人件費と勝ち点

本誌P.26-29の「プレミアリーグコストパフォーマンス分析」ではお金と成績の関係が紹介されている。この中で「勝ち点1を取るのに人件費がいくら必要か」という分析がなされているが、これだけでは「なんとなく傾向がわかった」という域を出ない。文責の鈴木英寿氏も「本来であれば前述の放映権と順位の関係も、相関分析という数学的手法を用いて、2変数間の関係を数値で記述するのが、王道である。(P.27から引用)」と断りを入れているように、「なんとなくの傾向理解」以上の分析を試みるためには統計的な手法を用いる必要がある。

そこで、筆者がP.27に掲載されている表2「2011-12シーズン勝ち点1あたりのコストパフォーマンスが高いチームランキング(*)」を使用して、選手人件費と勝ち点の単回帰分析を実施してみた。その結果が下のグラフである。サンプル数は少ないが0.1%水準で有意な結果が出ている。
(*) 本誌では円の小数点位置が一桁ずれている

eng11-12point_salary.jpg

この分析によると、やはり成績と選手人件費は明確な相関(この相関が誤りである可能性は0.1%以下)が出ている。これを用いればシーズンの成績を予想するのは簡単である。

勝ち点 = 29.1 + 0.172 × 選手人件費(億円)

つまり、勝ち点80ほしければ人件費が295億円必要ということである。身も蓋もない話であるが、これが現実ということだろう。

P.30-33の田邊雅之氏による「金を上手に使いこなすクラブ、金に使われてしまうクラブ」にもウェストブロムウィッチ(WBA)会長のこのような言及がある。

プレミアリーグでは、各クラブの資金力がそのまま最終成績に反映される傾向が強まってきている。(P.33から引用)

一方で、同会長はこのように続けている。

我々が目指しているのは、(資金力から自動的に割り出される)順位を超えることだ。デロイテが11年と12年に出したランキングに従えば、WBAは資金力のランキングを5番手も上回る成績を収め続けてきた計算になる。我々は全力で、この状態を維持していかなければならない(P.33から引用)

まったくおっしゃるとおり。先のグラフによれば、マンチェスターU、トッテナム、ニューカッスルなどは「資金力から自動的に割り出される」予想勝ち点を大幅に上回っている。逆にチェルシーやアストンビラは非常に燃費が悪い。

必要なのは勝ち点1あたりのコストパフォーマンス分析よりも、自分のクラブと同程度の資金力のクラブの中で、より勝ち点をあげているクラブにターゲットを絞ってその強さの秘密を紐解くことであろう。

お金のないクラブの地域密着

エンゲージメント(長期的な関係維持)を高める方法を大別すれば「交換」か「統合」しか存在しない。クラブとサポーターやファンの関係も同じである。両者の関係における「交換」とは、勝利、かっこいい選手の存在、優勝トロフィーなどが挙げられる。「統合」とは、まさに地域密着に代表されるような理念とサポーターの意識のベクトル合わせである。

お金のあるクラブは「交換」も「統合」も利用できるのに対し、お金のないクラブは主に「統合」しか利用できない。よって、いかに「統合」するかがお金のないクラブの肝であると言える。では「統合」はどのように行うのか。本誌にもそのヒントが書かれている。

P.62-67の宇都宮徹壱氏による「お金がなくても愛される松本山雅FC」の冒頭に、同クラブ代表取締役社長、大月弘士氏の発言が紹介されている。

「ウチはこれまで『いついつまでにJ1昇格』ということは明確に掲げていません。われわれのプロジェクトの目標は、あくまでもアルウィンを満員にすることなんです。ホームゲームで、常に1万5000人のお客さんが入ったら、選手も頑張るし、入場料収入も増えて強化費により多くのお金を回すこともできる。健全な経営を続けながら、ファンの皆さまに熱い試合を見せていくことが、結果的にJ1への早道だと思っています」(P.64から引用)

アルウィンを満員にするために、いかに地域密着を打ち出してベクトルを統合していくか。これがプロビンチャ(地方の中小クラブ)が生き残るための全てである。

このような考え方の背景には、川崎フロンターレプロモーション部の天野春果氏も著書の『僕がバナナを売って算数ドリルをつくるワケ』(筆者のレビュー)で言うように、クラブの事業と強化を分離して考えることから始まる。強化だけに頼るのは前述の「交換」の手法であり、これに頼りすぎると勝てなくなったときにサポーターがついてきてくれなくなる。「強化」が思うようにいかないときでも「事業」がクラブを支える仕組みを作ることが肝要である。

地域密着のためにサッカーに限らない総合スポーツクラブを設立する動きも広がっている。湘南ベルマーレ、アルビレックス新潟、セレッソ大阪などはその筆頭であろう。クラブの事業をNPO法人として切り出す動きも広がっており、クラブの事業モデル策定に詳しい谷塚哲氏はこれをハイブリッド型と呼んでいる。これからのJクラブの経営モデル 〜ハイブリッド型スポーツクラブの可能性〜に詳しく書かれているので参考にしてほしい。

総合型地域スポーツクラブを標榜し生き残りを探っている湘南ベルマーレの挑戦は『崖っぷち社長の挑戦 湘南ベルマーレに懸ける夢』(筆者のレビュー)に詳しく書かれている。前半はJリーグの移籍制度や行政への注文が多い内容だが、後半はNPO化など参考になることが多く書かれている。

ネットワーク理論とサッカー

本誌の第2特集は「サッカーの新常識」。新しい発想や見方でサッカーを見つめる人たちの声に耳を傾けるというものである。

P.73-77の浅川敏文氏による「チームの勝敗を左右するのは2割のハブ=司令塔」が書かれているが、これは筆者のエントリー[書評] サッカーゲームにはハブがあると同じことを言っている。

こういった学術的な観点からのアプローチが増えてくるのは大歓迎。サッカーからネットワーク理論という言葉を知るのも良いが、ネットワーク理論に通じている人がサッカーにその考え方を適用するなど、そういった識者のコラムなど期待したい。



tags エンゲージメント, クラブ経営, サッカーゲームにはハブがある, サッカー批評, ネットワーク理論, プレミアリーグコストパフォーマンス分析, マネー・フットボール, 地域密着


湘南ベルマーレ復活劇の舞台裏。

かつては中田英寿、ベッチーニョ、野口、奈良橋と有名選手をそろえ「ベルマーレ旋風」とまで騒がれたベルマーレ。ところがベルマーレは1999年に財政難でクラブ存続の危機に直面する。現在もアビスパ福岡やザスパクサツ群馬など債務超過でクラブ経営の危機に立たされているクラブは存在している(参考:クラブライセンス制度(財務基準)の実効年度開始 危ないクラブまとめ)が、ベルマーレは真っ先にこの危機に陥ったクラブでもある(横浜フリューゲルス除く)。

その危機をいかに乗り切ったのか。いや、まだ乗り切ったとは言えないかもしれないが、財務を見る限りは安泰に見えるベルマーレは、どのようにこの財務基盤を築いたのか。その奮闘記が記されているのが本書である。

前半は危機に陥った原因の分析

ベルマーレ固有の話もあるが、どちらかというと行政やJリーグ特有の移籍金制度の撤廃などに関する注文が多い。

前者の行政に関しては非常に気持ちはわかる。真壁社長もこのように語っている。

日本では、学校体育は文部科学省、グラウンドや公園など施設の管理は国土交通省、健康や高齢者のスポーツに関することなら厚生労働省、馬に関するスポーツなら農林水産省・・・といったように、ジャンルによって担当省庁が異なっている。

スポーツに関する監督省庁が分散してしまっているので、一つの大会やイベントを開催するときでも、複数の省庁に確認に走り回らざるをえないこともある。俗に言うタテ割り行政の弊害だ。

これが、わが国のスポーツ振興を遅らせている一因ではないだろうか。スポーツを一元的に掌握する省庁があれば、コトはスムーズに進むはずだ。(P.70から引用)

※幸い、2013年11月に「早ければ2014年度中」にスポーツ庁を文部科学省の下部組織の外局として設置する方針が固められてる。

ただ、後者の移籍金に関しては長期的に見ればローカルルールの撤廃は避けられないことであろうと思う。真壁社長は育成に力を入れても移籍金が撤廃されればクラブ経営が立ち行かなくなると言っているが、それは言い過ぎであると感じている。

一方、若手を育てたクラブの保護を目的に、移籍金の代わりとして「トレーニングコンペンセーション(TC)制度」も導入された。(P.104から引用)

と真壁社長自ら言及しているように、TC制度の存在がある。TC制度とは、23歳以下の選手が移籍する場合、その選手が12歳から21歳までに在籍したクラブに対し、育成金としてTC費を支払うことを義務付ける制度である。

日本ではFIFA準拠のTC制度に加え、ローカルルールの「トレーニング費用」という制度も存在する。TC制度が「プロ選手がプロ選手として移籍」する際に適用されるのに対し、トレーニング費用は「アマチュア選手がプロ選手として移籍」する際に適用される。これにより、例えばベルマーレ下部組織で育ったアマチュア選手が他のプロクラブと契約してもベルマーレにはお金が入り込むという仕組みである。

TC費に関しては小澤一郎氏の優秀な若手がJリーグに来なくなる? TC請求権とは何か?が参考になる。

これらのTCに関する話を聞いて「育成に意味がない」という人はいないだろう。もちろん真壁社長もこの制度は知っているに決まっている。ところが本書ではTCに関することの言及はかなり少なく、移籍金制度のローカルルール撤廃に関することだけが重点的に書かれている。

当然、いくらTCが整備されようと移籍金制度のローカルルールが撤廃されてはトントンにはならないということなのだろうが、その辺りの言及がないので「愚痴」のように聞こえてしまう。

このあたりの移籍に関する話は同じく小澤一郎氏の『サッカー選手の正しい売り方』(筆者のレビュー)に詳しい。

後半は総合型クラブへの転身と躍進のストーリー

一方で後半はベルマーレの巻き返しのストーリーで読後感が良い。

いろいろな経緯を経て、真壁社長はNPO法人を作り、総合型地域スポーツクラブとして生き残りを図ることを決意する。日本の行政は株式会社には優しくないが何故かNPOには優しいという一面がある。これを利用して施設を安く借りたり、行政の後押しを受けたりすることができる。

もちろん実際の経営は綱渡りの連続で大変なことが多々あったことと思うが、総合型に舵を切ってからはサッカーに限らず湘南らしくビーチバレーチームの発足、トライアスロン大会の実現、ソフトボール、フットサル、競輪などまさに総合と呼ぶにふさわしいコラボレーションが実現している。その全てが「ベルマーレ」なのである。

このように総合型とすることで地域の受け皿になることができるだけでなく、強化がうまくいかないときでも事業でクラブ経営を安定させることができる。

川崎フロンターレプロモーション部の天野春果氏の『僕がバナナを売って算数ドリルをつくるワケ』(筆者のレビュー)でもコラボレーション企画が多数紹介されているが、湘南ベルマーレもこれに引けをとらない。

2014年2月には湘南リスペクト企画としてアーティストの湘南乃風とコラボして限定グッズの販売なども行っている。この手の企画はお互いのファン層を取り込めるので非常に良いと思う。

挑戦はまだまだ続く

本書の最後は、ここまで総合型スポーツクラブを推し進めてきた真壁社長だからこそ説得力のある語りで締めくくられている。

ベルマーレにおける活動も、サッカーの試合にしても、ビーチバレーの大会にしても、小学校体育巡回授業にしても、そこに集まる人が増えて「いいね」となれば、自然に広がっていく。

人が集まるいい実例を増やせば、不満のあった人も黙る。「ニーズがあるから」と、口で簡単に言うよりも、よほど説得力がある手法だ。

だから、まず、実例をつくろう。

そして、やがて、僕らがその「いい実例」そのものになれればうれしい。

スポーツを通じて、ベルマーレを介して、大切な何かを感じ取れるような、地域になくてはならない存在だと言われるような実例に。

そのためのベルマーレの挑戦は、まだまだ続く。(P.253から引用)

クラブライセンス制度によりライセンス剥奪の危機にあるクラブこそ、真摯に地域の声に耳を傾け、湘南ベルマーレの実例を参考にクラブ経営を進めるべきであると思う。Jリーグ100年構想にも「サッカーに限らず、あなたがやりたい競技を楽しめるスポーツクラブをつくること。」とある。これを体現している湘南ベルマーレの奮闘が記されたオススメの一冊である。



tags クラブ経営, トレーニングコンペンセーション, 地域密着, 湘南ベルマーレ, 総合型地域スポーツクラブ


フットボールのない週末なんて、まるで君のいない世界のようだ。

各国1名の記者に与えられるFIFAバロンドール投票権。英国でこの権利を持っているのが本書の著者であるヘンリー・ウィンター氏だ。ちなみに日本では田村修一氏が権利を持っている。

フットボールの母国イングランドにおけるピッチの内外で起こる事件や裏話、そしてスーパープレー。ヘンリー氏は週末にスタジアムで起こる悲喜こもごもをコラム「A Moment in Time あの日のオールドシアター」として海外サッカー誌『footballista』で連載している。本書は連載されたコラムから珠玉の43本を厳選したコラム集である。

奥深い歴史をつまびらかにする史実としての価値

本書は筆者がこれまで読んできたコラム集とは趣が異なっている。

これまで以下の3冊のコラム集について拙ブログにもレビューを書いてきた。

   

これらのコラムに共通しているのは、書き手の意見が明確に書かれていること。『サカマガイズム』の著者である北條聡氏は著書の中でこのように語っている。

とにかく、何かを発信しなければいけない―。そんな考えに至ったのは、編集長になって、しばらく経ってからのことです。熱心な読者の方から、こう言われたのがきっかけでした。
「ほかのヤツらの意見はいいんだよ。サッカーマガジンとして、どう考えてんのか―あんた方の意見もちゃんと書いてくれ、ってこと」
分不相応と知りつつも、巻頭言にこだわるようになったのは、そうした理由からです。(P.2-3から引用)

単なる事実の羅列ではなく、そこにどんな意見や主張が込められているのか。これまで見てきたコラムニストはその点をとにかく重要視していたように思う。

ところがヘンリー氏のコラムには意見がほとんどない。そこに書かれているのは、史実による母国イングランドのフットボール文化の奥深さの描写である。

1つの試合、プレー、事実を切り取るのにのも、当人たちにはそれ以前のストーリーが存在している。そのストーリーなしに「あの試合は退屈だった」「試合前の会見で熱くなりすぎだ」などと語っても片手落ちと言われても仕方がない。

ヘンリー氏は豊富な知識と経験からフットボールの歴史を紡ぐことで、まるで「僕の意見はなくても十分価値があるでしょ」と言わんばかりである。マージーサイドダービーの話やダルグリッシュとファーガソンのライバル関係など、史実そのものだけでおかわり3回できるというものである。

記憶に残る伝説のプレー

タイトルを見るだけで思い出せるイングランドにおける伝説のプレーもコラムとして登場する。

例えば、99年FAカップ準決勝、ユナイテッドVSアーセナルにおけるギグスのゴール。イングランドの巷のフットボールファンにこの話題を振れば、まるで昨日のことかのように熱く語ってくれるようである。

そして迎えた109分、パトリック・ビエラの緩慢なパスというアーセナルらしくないミスに付け込んだギグスは、監督のアドバイス通り、まるでピッチ上を滑走しているかのようなドリブルで颯爽と敵の守備陣を抜き去っていった。
ビエラを中盤に置き去りにすると、左右に素早いフェイントを繰り返して右サイドバックのリー・ディクソンを翻弄。ディクソンの当惑ぶりは試合後のファーガソンに、「体中の血管がよじれてしまったようだった」という名言を残させた。ギグスは続けざまに、インサイドに控えるマーティン・キーオンとトニー・アダムズの両センターバックも手玉に取っている。逆サイドのナイジェル・ウィンターバーンを含むアーセナルの最終ラインは、イングランド史上最強と恐れられていた。観衆は独力で"フェイマス・フォー"を突破した選手など、いまだかつて目にしたことがなかったのだ。加えて、ゴールマウスには同国ナンバー1の守護神デイビッド・シーマンが控えていたが、ギグスは難なく代表正GKの背後のネットを揺らしたのだった。(P.15から引用)

筆者はアーセナルファンでこの試合は生中継で観ていた。アーセナルが負けたことにはがっくりきたが、この伝説のゴールを目の当たりにしていちフットボールファンとして純粋に感動したことを覚えている。


続いて、ベッカムの伝説のフリーキック。ときは2001年10月6日、2002年日韓ワールドカップ欧州予選、イングランドVSギリシャの一戦である。イングランドは引き分け以上でワールドカップ出場という条件だったが後半アディショナルタイムに入っても1-2とリードされていた。試合終了間際にゴール前25メートルあたりの位置で得たフリーキック。ベッカムの右足から放たれたFKは弧を描いてゴールマウスに吸い込まれていく。

クラブでも代表でも、その右足と同様に情熱と気迫を感じさせる「汗」が再び国民の心をつかむようになっていた2000年、国内各紙はこぞってベッカムの代表キャプテン抜擢を称えた。翌年のギリシャ戦で、02年ワールドカップ出場を意味する起死回生のフリーキックが決まった瞬間、マスコミと国民はそろって"ベッカム様"の足下にひれ伏したようなものだ。(P.216から引用)

あの緊迫した場面で史上最高の一撃を放つことができるメンタリティ。かっこいいとしか言いようがない。


そして最後にアーセナルファンならずとも誰もが世紀のゴールと崇めているベルカンプの「逆回りターン」のトラップからのゴールである。

ベルカンプは卓越したフィニッシャーでもあった。プレミアにおいては、2人のセンターバックが完璧に"始末"されている。
(中略)
2人目は、その5年後に手玉に取られたニューカッスルのニコス・ダビザス。ペナルティエリアの淵で体を開き、ダビザスを背負ってパスを受けたと思われた瞬間、左足で引っかけるようにボールをダビザスの右側に送ると、自身は左側から回り込んでゴール前に抜け、右足で流し込んだのだった。(P.225-226から引用)

トラップミスなのではないかと騒がれてもいたが、筆者はベルカンプに限ってそんなことはないと思っている。ベルカンプ、ファン・ニステルローイ、ファン・ペルシーなどオランダ人FWのトラップ技術は一体どうなっているのか不思議で仕方ない。

いつか日本も追いつけるように

日本のJリーグの歴史は本場からすればまだ浅い。しかしそれなりに20年積み上げてきて、Jリーグ開幕のときには生まれていなかったような世代がJリーガーとして活躍し始めている。我々世代が「Jリーグ開幕ゴールはマイヤーだったよね」なんて話してもそんなことを知らない世代の方がマジョリティにやがてなっていく。そんなとき、本書のような史実を紹介する書籍も日本に必要になってくるかもしれない。そうやって少しずつ歴史を紡いでいき、やがて文化が根ざしていくということなのだろう。

Jリーグのない週末なんて。そんなセリフから市井から聞こえる日がいつかきますように。



tags footballista, あの日のオールドシアター, フットボールのない週末なんて, ヘンリー・ウィンター

このページの上部へ

プロフィール

profile_yohei22 yohei22です。背番号22番が好きです。日本代表でいえば中澤佑二から吉田麻也の系譜。僕自身も学生時代はCBでした。 サッカーやフットサルをプレーする傍ら、ゆるく現地観戦も。W杯はフランスから連続現地観戦。アーセナルファン。
サッカー書籍の紹介やコラム、海外現地観戦情報をお届けします。

サイト内検索

最近のピクチャ

  • IMG_2920.jpg
  • IMG_1540.jpg
  • IMG_1890.jpg
  • enders_deadly_drive.jpg
  • 2013年度純損失クラブ一覧.jpg
  • IMG_1825.jpg
  • fractal01.jpg
  • hata_seminarL.jpg

コンタクト

Powered by Movable Type 5.2.3