アーセナルが45年ぶりに来日。名古屋と浦和と試合をするという。
思えば14,5年前。今も別に大したことないですが、僕がまだまだサッカーなんてよく分かってなかったころ。中田英寿氏の影響でセリエAが日本で最高に盛り上がっていたころ。なぜか僕の目を惹きつけたのはアーセナルだった。
ベンゲルが監督に就任し、アダムス、キーオン、ディクソン、ウィンターバーンによる堅固なDFが特長のチームから、失点しないことを大切にしながらも攻撃的で見ている人を魅了できるチームに変遷している最中。
最初に僕の目を釘付けにしたのがオーフェルマルスだった。サイドから1人で突破して試合を動かすことができる選手を目の当たりにして、僕はサイドアタック信奉者になった。その系譜でリュングベリ、ピレスなどサイドで主導権を握れる選手がアーセナルの攻撃の中心になっていくのを眺め、いつの間にか僕は完全にアーセナルを追いかけ続けていた。
ベルカンプの美しいトラップ、アンリのスピードとインサイドでゴールに転がす正確さ。僕の中では世界最強の2トップ。ちょうど大学生でサッカー観戦に時間をかけまくっても全然大丈夫だったころ中心的に見てきたアーセナルが、理由なしで応援できる初めてのチームになった。
2003年には一度、サンシーロで行われたCLのインテルVSアーセナルの試合を観に行った。周りがインテルサポだらけの中、アンリやピレスの活躍で5-1でアーセナルの勝利。当時インテルに在籍していたカンナバーロは何度もアンリにドリブルで抜かれていてあのときは大したことない選手だなんて思っていた(その後完全に認識を改めることになる)。
2003年11月25日サンシーロにて筆者撮影(CLグループステージ インテル1-5アーセナル)
2005-06シーズンはCL決勝まで勝ち進んでバルサと対戦した。先制点を奪ったが後半終了間際にバルサの右サイドバックのベレッチに決勝点を奪われて敗戦。ベレッチなんて覚えている人の方が少ないだろうけど、僕は一生忘れない。ああ憎きベレッチ。
最近はタイトルが取れない不遇の時代が続いている。シティやチェルシーが台頭し、リーグ4位に甘んじることも多くなってきた。CL決勝トーナメントに進出し続けていることはうれしいけれど、無冠のロマンチストみたいな位置づけになってしまっている。バルサに真っ向から勝負して1stレグに勝利しても2ndレグに負けて結局敗退とか、シーズン通してバイエルン相手に2点差以上で勝利した唯一のチームとか、そういうのが多い。
でも僕は、美しく勝つ、というベンゲルによるアーセナルのスタイルが好きだ。勝つか負けるかはフローだけど、アイデンティティはストックだ。その蓄積にこそ、アーセナルの真髄がある。ベンゲル時代しか知らないからベンゲルがいなくなったらどうなるかわからないけれど、15年間も応援してきて身体に染み付いたアーセナルイズム。一生追いかけ続けるよ。
名古屋と浦和、当然2試合とも観戦する。10年ぶりの生アーセナル。理屈抜きで身震いできる、今のところ僕の中で日本代表以外の唯一のチーム。楽しみで仕方ない。
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