アビスパ福岡が危ない。このままでは11月末には資金繰りが滞り、5000万円のキャッシュが不足するとのことである。
2012年度のクラブ決算一覧を見ても、Jリーグはどのクラブも広告料（スポンサー料）に収入の大部分を負っていることが分かる。2012年度のJ1では広告料が最も少ない札幌でさえ4億7500万円を確保している。浦和は20億円超えである。大口のスポンサーの支援がなければ残念ながらクラブは存続できない。それは横浜Fマリノスは日産の追加支援があっても債務超過を解消できると思えないでも書いたとおりである。
アビスパの件も、資金不足は広告料収入の減少による。今シーズンに関しては大口スポンサーは追加支援しないことを早々に発表していたが、来シーズン以降（アビスパが存続していれば、だが）についても継続してスポンサーに真摯に営業をかけることが最重要課題である。そのために、当然アビスパ福岡というクラブの魅力を高め、人が集まるクラブしなければならないことは言うまでもない。
とはいえ、もっと草の根的に資金を集めることも効果は小さいかもしれないが重要である。今はとにかくあと1ヶ月で5000万円集めなければならない状況で、仮に5000万円が達成できたとしても12月以降もまた苦しい状況が続くのである。
そこでアビスパは「2013福岡力 アビスパKidsパートナー」を募集する名目で、法人から一口10500円、個人から一口5250円の協賛金を募っている。協賛すると観戦チケットが2枚もらえ、資金はキッズイベントの運営に充てるという仕立てになっている。
悪くはない。悪くないが、個人的には違うと思う。2つ欠点を挙げる。
●欠点その１
協賛特典が観戦チケットだと福岡の人にしか動機づけができない
●欠点その２
最低協賛金が5250円では個人としては高すぎる
特に、欠点２が無策を感じる。
経営難のニュースを聞いて、アビスパサポーターでなくてもアビスパを助けてあげたいと思ったサッカーやJリーグを愛する人は全国にたくさんいたはずである。その気持ちは見返りを求めるものではなく、無償でも構わないというところから生まれている。
しかし、5250円という値段がその気持ちを阻害する。5250円あれば、自分の贔屓のクラブのS指定席が買える値段ではないか。1000円と言われれば協力してあげたいが、5250円か・・という第一印象でいったん気持ちがストップし、そのまま結局協賛しない、というケースが多いと邪推する。
高い。単純に高い。
現に、経営難のチームを救う！？ J2アビスパ福岡の『盟主bot』が"1000円募金"をスタート - ガジェット通信という企画で1000円募金をクラブとは無関係の個人（ツイッターで有名な盟主bot）が実施したところ、1745口の申し込みがあり、経費などを差し引いて52万5000円をアビスパのKidsパートナー経由で募金したとのこと。（参考：盟主botの1000円募金経過報告（10/29）お申込み終了 | アビカラ！）
盟主botシールのおもしろさや企画に乗っている楽しさはあろうが、1000円であれば募金する人がいるのである。
また、アビスパ福岡のスポンサーである明太子のふくやが、3150円の明太子セットの売上全額（！）をアビスパ福岡に寄付する支援プログラムを発表した。11月1日から販売開始で3000セット限定。インターネットでも注文できる。これは僕も買おうと思っている。
こういった支援の波があるのは良いことである。実際、スタジアムに足を運ぶこと以外でもお金の面でJリーグやクラブを支援することはいくらでもできる。それは以前にコカ・コーラを飲んで、カルビーのポテトチップスを食べるでも書いた通りである。
しかしこの波は、個人やスポンサー企業が作るのではなく、アビスパ自身が作らなければならない。
アビスパの考えた支援策は、「一口」という書き方が時代にそぐわない。別にいくらでも構わないから応援する気持ちがある人、助けたい気持ちがある人が、インターネット経由で気軽に募金できる仕組み（マイクロスポンサーになれる仕組み）があれば、多くの人が募金したのではないか、と思う。
ギリギリまで経営難を発表しないくらいの経営陣だから難しいかもしれないが、ソーシャルな時代に寄り添って仕組みを整えることが今の時代は非常に重要であると個人的には感じている。
<2013年11月6日追記>
ふくやで注文した明太子セットが早速届いた。ふくやありがとう。おいしくいただきます。
yohei22です。背番号22番が好きです。日本代表でいえば中澤佑二から吉田麻也の系譜。僕自身も学生時代はCBでした。
サッカーやフットサルをプレーする傍ら、ゆるく現地観戦も。W杯はフランスから連続現地観戦。アーセナルファン。
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